注目キーワード

加工・販売

農家の6次化成功事例! 和歌山で生まれた「高級みかんジュース」

高級みかんジュースがヒットしている理由は?和歌山県有田市で早くから6次化を進める早和果樹園社長の秋竹新吾さんに話を聞いた。

標準品質ではない”おいしさ”が
6次化成功の鍵

和歌山県有田市は、日本有数のみかん産地として知られている。そこでの6次産業化の成功事例として全国に知られているのが、農業生産法人株式会社早和果樹園である。

「当社の前身、『早和共選』を、仲間の7軒の農家と立ち上げたのが昭和54年、私がまだ34歳の時でした。ターニングポイントは平成12年の法人化だったと思います。当時、子供たちが成長して後継問題を考え始めた頃に、〝夢の描ける農業をめざそう〞と、踏み切りました。そして新たな選果場を作り、周辺農家のみかんを扱うようになったり、加工事業への着手という決断もできました。いち農家ではできない発想を得られたのが大きいですね」。
企業として収益重視で安易な加工品を作らなかったことも、その後のブランド価値につながった。



「毎週土・日・月曜を使って、社員自ら試飲販売をやっています。年に65万個、もう12年になりますね(笑)」。
社員自らが消費者と接する事で、高品質の原料を生産している自負と同時にやりがいも生まれる。そして、さらに標準品質ではない、〝おいしいみかん〞を作れば必ず差別化はできる……6次化成功の鍵は、「みかん一筋」の農家としてのこだわりにあった。

TO_WAK_006

早和果樹園の皆さん。生産者の減少は有田市に限ったことではないが、同社では事業の拡大によって多くの若い人材が毎年新しく加わっているそう。

 

TO_WAK_004

早和果樹園では、夏から秋にかけて多孔質フィルムを地面に敷き、土壌水分をコントロールする「マルチ栽培」やICT活用など独自の取り組みで、高品質のみかんの安定的な生産を実現している。

 

TO_WAK_005

平成16年に発売した高級みかんジュース「味一しぼり」をはじめ、”おいしいみかん”へのこだわりが、多くの人気加工商品を生み出している。



早和果樹園 http://sowakajuen.com/


『EARTH JOURNAL 』vol.2より転載

関連記事

農業機械&ソリューションLIST

アクセスランキング

  1. 薄緑の葉色は「鉄欠乏」のサイン? 予防と対策は?
  2. 空調服に水冷服、ネッククーラーも登場! 真夏の暑さ対策ウェア4選
  3. 高温・乾燥ストレスの予防に!「海藻」の恵みを植物へ届けるバイオスティミュラントとは?...
  4. コロナ禍におけるコメ需要の変化は?稲作農家が行うべきマーケティング戦略...
  5. 畝間・株間除草をラクにする刈払機アタッチメントが登場
  6. 軽トラカスタムの新潮流!親しみやすさが人気の『レトロカスタム』
  7. 〈検証〉農作業による腰痛がもたらす危険性とは? アシストスーツは腰痛対策になるのか...
  8. いまさら聞けない! バイオスティミュラントの基礎知識
  9. ストレスの少ない草刈り作業へ! 大型エンジン搭載のコメリオリジナル草刈機...
  10. 美味しさだけでは売れない!? 差別化につながる「ブランド米戦略」とは

フリーマガジン

「AGRI JOURNAL」

vol.32|¥0
2024/07/19発行

お詫びと訂正