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ブランド化したフルーツトマトが味わえる!新潟県の農家レストラン

いまでこそ人気の高いフルーツトマトを、昭和60年頃から生産しているタカギ農場。現在は6次産業化として農園レストランをオープンし、県外からも多くの人々が訪れている。

6次産業化の成功事例

トマトといえば「酸っぱい」ものが当たり前だった1985年頃。タカギ農場は、節水栽培により高糖度トマトの生産を開始した。「現代表の高橋治儀が、研修のため県外の農家を訪れた際、この手法に出会い、現場に取り入れることを決めました。より甘くておいしいトマトができると確信したのが決め手です」(専務取締役・高橋泰道さん)。


甘くフルーツのような味が評判となるが、さらに差別化を図るため、1997年には杉の樹皮を粉砕した培地を利用する溶液栽培で、酸味の少なく甘さが特徴のフルーツトマトを生産。量販店など取り扱い店舗を絞り、ブランド化を進めた。

2000年には、人気のフルーツトマトを味わえる場所として、移動販売式のレストランをオープン。2014年に地域が「国家戦略特区」に指定されたのをきっかけに、農地内に農業用施設としてイタリアン「ラ・トラットリア エストルト」をスタートさせた。

「ラ・トラットリア・エストルト」は、「産地直食(安全な食材を採れたその場で口にする)」をテーマに掲げ、農場で採れた野菜を料理に多用している。また、食べ放題のイチゴ園、直売所が同じ敷地内にあり、周辺にはトマト栽培のハウス田園風景が広がる。農業を身近に感じながら新鮮な農産物を味わえると、来客数は女性を中心に年間約4万4000人にも上る。宮造りの美しい店舗は地域のシンボルにもなり、2016年には「ウッドデザイン賞」を受賞。2018年には「6次産業化アワード」で食料産業局長賞を受賞した。



時代の先を読み、これまでの常識にとらわれずに実行に移してきた同社。農業者であれば、誰もがうらやむ成功を手にしつつも、意欲は尽きない。「レストランのお客さんに、この地域でもっとゆっくり過ごしてもらいたいと思い、方法を模索しています。民宿の建設も、いいかもしれませんね」。

6次産業化レストラン
『ラ・トラットリア・エストルト』

レストランの周りには圃場が広がり、四季によって移り変わる非日常な景観を目当てに訪れる観光客も多い。宮造りの美しい店舗は地域のシンボルにもなり、2016年には「ウッドデザイン賞」を受賞した。

場所:新潟県新潟市北区新崎2757番地
営業:11:00~15:00(ラストオーダー14:30)
休業:火(祭日除く)
問/ラ・トラットリア・エストルト
TEL:025-259-8000



photo: Kouichi Imai
text: Yoshiko Ogata

AGRI JOURNAL vol.11(2019年春号)より転載

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