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3Dプリンターで肉を生成!? 最新技術を活用してエコでヘルシーな食生活を

3Dプリンターの活用により、食の分野でもイノベーションが生まれつつある。3Dプリンターは様々な素材を幅広く用いることができ、設計のカスタマイズやパーソナライズをしやすいのが特徴だ。

3Dプリンターで
植物由来ステーキ肉を出力

イスラエルのスタートアップ企業「レディファイン・ミート」は、2020年6月、3Dプリンターで生成する植物由来のステーキ肉「オルト-ステーキ」を世界で初めて開発した。


植物由来のステーキ肉「オルト-ステーキ」 ©2019 Redefine Meat. All rights reserved

食肉の筋肉を模した「オルト-マッスル」、脂肪を模した「オルト-ファット」、血液を模した「オルト-ブラッド」という3種類の植物由来の素材を独自の専用3Dプリンターで積層し、ステーキ肉の見た目や味、香り、食感を精緻に再現。食肉の生産に比べて環境負荷を95%軽減でき、コレステロールゼロで高タンパク質と、食肉よりもヘルシーなのが利点だ。


レディファイン・ミートが開発した専用3Dプリンター©2019 Redefine Meat. All rights reserved

「オルト-ステーキ」は、現在、一部の高級レストランで試験的に提供されており、2021年には正式に発売される見込みとなっている。

パーソナライズされたサプリを
3Dプリンターで出力

英国の「ナーリッシト」は、世界初の3Dプリンターを用いたパーソナライズ型サプリメントブランドだ。

ユーザーがオンラインでアンケートに回答すると、ユーザーの健康状態やライフスタイル、サプリメントの用途などを独自のアルゴリズムが分析し、ビタミンC、鉄分、亜鉛、葉酸など、28種類の栄養素から最適な7種類の栄養素を特定。3Dプリンターで各栄養素を層状に重ね、カラフルなグミ状のサプリメントとして出力する。


ナーリッシトのパーソナライズ型サプリメント ©2020 Nourished All rights reserved

「ナーリッシト」は、定期購入型サービスとして展開しており、ユーザーに合わせてパーソナライズされた28粒のサプリメントが4週間ごとに宅配される仕組みとなっている。

3Dプリンターで
余剰食料をアップサイクル

従来であれば廃棄されていたものに新たな価値を付加して蘇らせる「アップサイクル」のアプローチを応用し、3Dプリンターによって余剰食料を付加価値型食品に転換させる試みもみられる。

オランダの「アッププリンティング・フード」は、余剰となったパンや米飯、規格外の野菜、果物を配合してピューレ状にし、3Dフードプリンター用の材料に転用。


アッププリンティング・フードを活用したタルト ©2020 Upprinting Food

クッキー生地やタルト生地として3Dフードプリンターで出力し、焼成すれば、保存性の高い食品に生まれ変わる。現在、オランダ国内のレストランでは、「アッププリンティング・フード」を活用したユニークなデザートメニューが提供されている。

DATA

レディファイン・ミート
ナーリッシト
アッププリンティング・フード


文:松岡由希子

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