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スウェーデンの研究チームが発明! 植物の糖レベルを計測できる画期的なバイオセンサー

植物の糖レベルを計測する際、従来の方法では植物の一部を切り取る方法があった。スウェーデンの研究チームでは、植物を傷つけることなく維管束組織のグルコースとスクロースのレベルを計測できるバイオセンサーを発明した。

世界初!植物を傷つけずに
糖レベルを計測するセンサー

スウェーデン・リンショーピング大学とスウェーデン農業科学大学の共同研究チームは、植物組織中の糖レベルをリアルタイムでモニタリングできるバイオセンサーを世界で初めて開発した。一連の研究成果は、2021年1月22日付のオープンアクセス科学ジャーナル「アイサイエンス」で掲載されている。

このバイオセンサーは、「有機電気化学トランジスタ(OECT)」をベースとし、植物に損傷を与えることなく、維管束組織のグルコース(ブドウ糖)とスクロース(ショ糖)のレベルを最長48時間にわたって計測できるのが特徴だ。ヨーロッパヤマナラシでの実証実験では、これまで観察されていない糖レベルの変動を計測することに成功している。

©Thor Balkhed




生育条件の最適化や
農作物の品質モニタリングに

植物はエネルギーとして糖を消費する。また、糖は、植物の成長や環境変化への反応に作用する重要なシグナル物質でもある。しかし、現時点では、植物の代謝がどのように制御され、糖レベルの変化が生育にどのような影響を及ぼすのか、そのメカニズムについて、十分に解明されていない。

植物の計測においては、従来、植物の一部をサンプルとして切り取る手法が一般的であった。しかし、このバイオセンサーを用いることで、植物に損傷を与えずに、生体内で代謝にまつわるデータを計測・収集できる。研究チームでは、植物の代謝制御のメカニズムの解明をはじめとする植物科学の基礎研究に役立つのみならず、生育条件の最適化や農作物の品質モニタリングなど、農業分野にもこのバイオセンサーを活用できると期待している

有機電気化学トランジスタは、医療などの分野ですでに実用化されている柔軟性や軽量性に優れた「有機トランジスタ」をさらに進化させた最新技術で、より多くの電流を流すことが可能なことから、生体計測記録用デバイスとして応用できると考えられている。

近年、これを農業の分野に応用する研究も広がりつつある。2017年11月には、イタリア学術会議やパルマ大学らの研究チームが、有機電気化学トランジスタを用いたトマトの生体内モニタリングに関する研究成果を発表しているほか、米コロラド大学ボルダー校と英ケンブリッジ大学の共同研究チームは、有機電気化学トランジスタによる圃場の土壌モニタリングシステムの開発をすすめている。


文:松岡由希子

AGRI JOURNAL vol.19(2021年春号)より転載・加筆

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