注目キーワード

生産者の取組み

トラクターが主役!? 農業イベントで地域活性化へ!

日本の農業の課題ともいえる「高齢化」と「後継者不足」。これらを解消するため、最近では各地で様々な取り組みが増えているが、今回は北海道のある村で行われていた、トラクターを使った農業イベントについて紹介。農家と地元住民との関わりが生みだす、地域活性ストーリーとは?

農業を地域活性に
役立てるために

北海道十勝(とかち)地方に位置する更別(さらべつ)村は、総面積の70%が耕地という日本でも代表的な農業地帯。農家1戸あたりの経営面積はおよそ50ヘクタールという大規模農業の形態が多く、効率を求めた機械化が盛んだ。

そんな更別村では、機械化農業の強みを活かし、農業用トラクターを使ったイベントを過去15回行っていた。

トラクターがレースで競う!?
スポーツイベントで地域を盛り上げる

更別村の農家のトラクター所有台数は、1戸あたり平均なんと5台! この特徴を活かし行われていたのが「国際トラクターBAMBA」だ。

“トラクター”と”ばん馬”を組み合わせたユニークな本イベントは、畑地150mのコース上で、1.5t~3tのソリを引いてトラクターを走らせ勝敗を競う”トラクターレース”が見どころだ。全国から集まったトラクター、そしてトラクターを愛する農家たちの熱いバトルを観戦できる。

来場者は「メカ馬投票」で優勝するトラクターを予想して楽しめるほか、農機協賛メーカーの販促コーナーも設けられ、生産者とメーカーが交流する場としても活用可能。

2017年7月9日に行われたイベントにおける、トラクターレースの様子。

こうした参加型のイベントで、地域の人たちが楽しめるだけでなく、全国から参加者・観戦客が集まり、自治体の活動を全国へアピールできるチャンスにもなっている。更別村の機械化農業という特性を活かした「国際トラクターBAMBA」は、地方創生を成功させる良いモデルといえるだろう。

2018年以降の開催に関しては、前年に村内の一部の畑でジャガイモの病害虫「ジャガイモシストセンチュウ」の生息を確認したことから、農業を守るため中止という苦渋の判断を下したが、現在新たなイベントを模索中だという。

今後もこうした各地域における活性化へ向けた取り組みから、目が離せない。

DATA

国際トラクターBAMBA

農業機械&ソリューションLIST

アクセスランキング

  1. 軽トラカスタムの新潮流!親しみやすさが人気の『レトロカスタム』
  2. 【植物工場ビジネスの最新動向と課題】現状は赤字が約半数。エネルギー削減の取り組み進む...
  3. 魚のフンが肥料に!? 循環型農法「アクアポニックス」をパッケージ化した次世代農場...
  4. ハイスペックで格好良い!「次世代軽トラ」の実力
  5. スマート農機の自動操舵がより正確に! ソフトバンクのRTK測位サービスに迫る...
  6. 太陽光発電を活用し、天候や昼夜を問わず種まきと除草を自動化できる自走式ロボットとは?...
  7. 高温・乾燥ストレスの予防に!「海藻」の恵みを植物へ届けるバイオスティミュラントとは?...
  8. 世界初の量産型農業用無人車が登場! XAG×バイエル『R150』散布と運搬を自動化...
  9. 成功する農業後継「子供の頃から農業が嫌だった」
  10. 植物の免疫力と鉄吸収力を高める! “ビール酵母”がベースのバイオスティミュラントの実力とは...

フリーマガジン

「AGRI JOURNAL」

vol.32|¥0
2024/07/19発行

お詫びと訂正