注目キーワード

生産者の取組み

成功する農業後継「地道な広報活動で世界進出へ」

1本5000円のレンコン!? それが飛ぶように売れるようになったのは、自社商品のブランド化を目指し、奮闘してきた後継・憲一さんと、生産を支える先代の力があったから。ついに海をこえてニューヨークへ! 野口農園の事業承継エピソード後編。

前編:成功する農業後継「農作物のブランド化を目指す」

ブランドレンコンが売れない!
地道な広報活動へ

「このまま続けていても知名度は上がらない」。憲一さんは、”広報活動にもっと力を入れよう”と思い立った。”ここまで投資してきた500万円が無駄になるのでは”という焦りもあった。

これまで以上に積極的に展示会やマルシェに出店し、各種講演会、レストランのトークセッションなど、地道な広報活動を続け、自社の活動を外部に発信するようにした。この活動は、”レンコンの営業方法が良くわからない”と考えていた憲一さんが、独自に考え、編み出した方法であった。

地道に活動を行っていくと、「博士がレンコンを売っている」「それも1本5000円の高級レンコン」ということで、一つの講演会が次の取材のきっかけとなり、取材記事を見た人が次の取材を依頼する、というようなサイクルが生まれていった。

1度テレビに出演して以降は、コンテンツ力の高さから、テレビや雑誌に連続して取り上げられるようになった。2016年~2017年には、ほぼ2ヶ月に1回、テレビ・雑誌・新聞などに出ていたという。

大手商社との取引口座が
信頼の証に

メディアで取り上げられるたびに、スーパーなど法人の顧客も増えていった。ここで効果を現したのが、前述の、大手総合食品商社に開いてもらった取引口座である。

商談案件がスムーズに取引につながったのは、”大手総合食品商社での取引口座がある”ということが、信用の証となったからであった。

また、メディアに掲載されることで、1本5000円レンコンの注文も入るようになっていった。今思えば、この”5000円という値付けも絶妙であった”と憲一さんは考えている。

もし5000円相当の贈答品を頂いた場合は、やはり”5000円のお返しが必要である”と考える人が多いだろう。地元の贈答品需要の絶妙なマーケットのひとつが5000円という価格帯であったと感じている。

ついに昨年度、1本5000円レンコンに百件近い注文が入り、”最高級の品質を届けるためには、全ての注文には応えられない”というような状況にまでなった。

最高級 適地適作れんこん 化粧箱1本入り

12>

農業機械&ソリューションLIST

アクセスランキング

  1. 憧れの自動運転!トラクター自動化製品まとめ 【スマートトラクター編】...
  2. ハイスペックで格好良い!「次世代軽トラ」の実力
  3. 神木隆之介が天才植物学者に! 朝ドラの舞台・高知の生産現場で実感した「強さと努力」...
  4. 2023年注目農業ウェア・アイテム6選! セレクトショップのおすすめを紹介!...
  5. 低コストで高耐久! 屋根の上で発電もできる「鉄骨ポリカハウス」
  6. 「生産活動そのもの」を価値として販売するには? コメ農家の未来を切り開く、生産者の奮闘...
  7. 軽トラカスタムの新潮流!親しみやすさが人気の『レトロカスタム』
  8. ゲノム編集と遺伝子組み換えの違いは? メリットを専門家が解説
  9. 2020年注目女優・南沙良、映画『もみの家』の撮影を通して野菜好きに!?
  10. 手強い雑草を制しつつ、環境にも優しい? “二刀流”の除草剤を使いこなせ!...

フリーマガジン

「AGRI JOURNAL」

vol.32|¥0
2024/07/19発行

お詫びと訂正