注目キーワード

生産者の取組み

【農福連携】作業場整理術のポイントは「どこで・何が・どうやって」

農福連携において、わかりやすい表示や動線をつくることは重要だ。文章を読むことやコミュニケーションを取ることが難しい障がい者の方々が、職員がいなくてもスムーズに行動しやすくなるからである。今回は、実際にNPO法人めぐみの里の現場で行われている作業場整理術について紹介する。

ポイントは「どこで・何が・どうやって」
をきちんと整理する

5Sという言葉をご存知だろうか。5Sは「整理・整頓・清掃・清潔・躾」の5つの要素のことであり、特に製造業などにおいて職場環境の改善維持のために徹底して取り組んでいる企業も多い。障がい者をサポ―トするうえでも、この5Sの考えは役立つものとなる。

これから、私たちが運営する障がい者の就労支援施設での作業場整理についてご紹介するが、これらは、外国人・高齢者・女性などといった多様化する農業従事者にとっての「やさしい職場環境」へもつながると言える。作業場の整理術を「どこで・何が・どうやって」を基準に紹介する。

ポイント1.「どこで」・・・作業場全体をマップ表示!

作業場全体の位置表示をしたマップを掲示することは、ヒトの動線を考慮した取り組みのひとつである。

「どの位置で」「どんな作業をしているか」を把握することができ、入社して間もない時期や新しい作業に入る際にマップを見て行動することができる。場所や機械に番号をつけておくと、より一層わかりやすくなる。

また、管理者や指導員と一般スタッフ(パートや障がい者など)のマグネットを色分けしておくことで、一般スタッフから質問がある場合などに、すぐに対応することができる。

作業場全体の位置表示をしたマップ

ポイント2.「何が」・・・モノの位置を明確に!

道具と配置場所に名前を明記し『表示』をすることで、判断に要する時間が短縮される。視覚での確認が取れる『表示』は、誰もが作業しやすく効率化されるとともに、「見つける」「使う」「戻す」の3ステップを定着することができる。

モノの位置表示は、定位(どこに)、定品(何が)、定量(いくつ)の3定を基準にしておくと良い。

作業場の道具置き場

12>

関連記事

農業機械&ソリューションLIST

アクセスランキング

  1. 軽トラカスタムの新潮流!親しみやすさが人気の『レトロカスタム』
  2. 【植物工場ビジネスの最新動向と課題】現状は赤字が約半数。エネルギー削減の取り組み進む...
  3. 魚のフンが肥料に!? 循環型農法「アクアポニックス」をパッケージ化した次世代農場...
  4. ハイスペックで格好良い!「次世代軽トラ」の実力
  5. スマート農機の自動操舵がより正確に! ソフトバンクのRTK測位サービスに迫る...
  6. 太陽光発電を活用し、天候や昼夜を問わず種まきと除草を自動化できる自走式ロボットとは?...
  7. 高温・乾燥ストレスの予防に!「海藻」の恵みを植物へ届けるバイオスティミュラントとは?...
  8. 世界初の量産型農業用無人車が登場! XAG×バイエル『R150』散布と運搬を自動化...
  9. 成功する農業後継「子供の頃から農業が嫌だった」
  10. 植物の免疫力と鉄吸収力を高める! “ビール酵母”がベースのバイオスティミュラントの実力とは...

フリーマガジン

「AGRI JOURNAL」

vol.32|¥0
2024/07/19発行

お詫びと訂正