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90億人の食料確保に向けて若手イノベーターが大集結

国連の推計によると世界人口は2050年までに90億人を超え、将来の人口増加に備えた食料確保は世界的な課題となっている。「Thought For Food」はこの課題に対する画期的な解決策を創出しようと世界各地の若手イノベーターが集まったコミュニティだ。2017年5月の年次総会から注目したい話題を4つ紹介する

2017年5月、オランダの首都アムステルダムで開催された年次総会には、デザイナー、アーティスト、研究者、起業家ら、130カ国から8000人以上が参加。“What’s Next?(次は何?)”をテーマに、都市型農業ソリューションや持続可能な食料生産を実現する最先端技術、食のサプライチェーンを効率化するプラットフォームなど、幅広い事例が共有され、多様な視点から活発な議論が交わされた。
その中から注目したい話題を4つ紹介する。


野菜や果物を無駄なく消費
食料廃棄量削減の手法とは?

他の農作物に比べて劣化の早い青果物は生産量の45%が消費されないまま廃棄されているのが現状だ。マレーシアのスタートアップ企業「ウェストバスター」では、従来、廃棄されてきた青果物の余剰食料を粉末状に加工し、栄養補助スナックの原料として活用している。「ウェストバスター」の特徴は、余剰食料の回収から加熱、乾燥、粉砕までの一連の加工プロセスを公開している点。1日あたり平均1万7572トンもの食料廃棄物を排出するマレーシアで余剰食料の有効活用をすすめるだけでなく、自らの手法やノウハウを他の国や地域にも積極的に共有することで、世界全体の食料廃棄量の軽減や食料供給量の確保につなげようとしている。

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持続可能な食や農を探究する
イケアの研究機関の取り組み

家具量販店イケアの専門研究機関「スペース10」では、次世代に向けた持続可能な生活のかたちを探究してきた。もちろん、私たちの生活に欠かせない食や農も研究テーマ。世界各地で急速にすすむ都市化をふまえ、限られたスペースでも作物を効率的に栽培するソリューションとして、オープンソース型の球状菜園「グロウルーム」が開発されている。



webサイト上から無料ダウンロードした設計図をもとに、ユーザー自身がCNCルーターで合板からパーツを切断し、パズルのようにつなぎ合わせていく仕組みだ。「スペース10」では、現在、家庭用屋内農業ソリューションの研究開発にも着手。次世代の食や農のかたちを見通す上でも、今後の動向がますます注目されている。

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