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ITを駆使する農場管理-安価な農業クラウドが農家を救う

今や農業もITの時代。インターネットを使ったモニタリングシステムを取り入れて、日々の圃場管理を行う茂手木農園。実際に導入して感じる利点とは?

導入コスト約10万円で
充実の圃場管理と安心感

山梨名産のブドウとモモを栽培する茂手木農園は、2014年に日本を襲った豪雪でハウス倒壊の被害に遭った。ゼロから始めると収入を得るまで時間がかかるので、成園への移転を決意した。新しく建てたハウスの場所は、自宅からだいぶ離れている。

「みどりクラウドがあったから、この場所でハウスを再建しようという気持ちになりました」。
就農して8年32歳の若き農業者の茂手木さんは、圃場の環境をセンサーで計ってクラウド上にリアルタイムで記録する「みどりクラウド」に、以前から興味をもっていた。

移転前の農地とは土の状態がまったく違っていたこともあり、土の水分、温湿度、日射量、二酸化炭素の量など、すべての数値が折れ線グラフで見えることは圃場の管理に大いに役立っている。ブドウの木の状態と環境の要因が一目瞭然で、品質や生育をコントールしやすくなったのだ。

「リアルタイムで記録されるデータを見ながら、ハウスの窓やカーテンを開けたり水の量を調整したりして、ハウス環境を整えています。カメラもついているので、後からデータを振り返って比較するときに便利ですよ。日にちだけ見ても、その日のブドウの様子はなかなか覚えていないので。あとは、夜中でも心配なときに現状を確認できる安心感も大きいですね」。

今、さまざまな農業クラウドが登場しているが、「みどりクラウド」の一番の魅力は、何と言ってもその価格。モデルは3つで、入門版のWi-Fiモデルの場合、初期費用6万8,000円と月額1,280円で利用でき、同様のシステムに比べて、導入にかかるコストはかなり低く抑えられる。

「みどりクラウドを使い始めたことで、やりたいことが広がりました。狙った環境を作り出せるので、つぎはCO2施用も効果的に行いたいですし、将来的には、みどりクラウドで蓄積した圃場環境のデータを利用して、水やりなどを自動で管理できるシステムが作れたらいいなと思っています」。

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